TOR is my ROAD

トアロードの朝がはじまります。
店の主が花や樹木にささやくおはようは
風にのって、山の手のゆるやかな坂道へ。通り沿いにあるインターナショナルスクールからは
かわいい声がはずみます。
りゃんさんちのフレンチブルは街の人気もの
六甲のふもとまで歩く日も。開店前のカフェからは パンが焼けるいい匂い。
マスターの選ぶビル・エヴァンスが 時の魔法をかけるのです。イーストアジアの港町、神戸トアロード。
海側の居留地と、山側の邸宅を結ぶ一本道で。
ヨーロッパやアジア人の生活に寄り添う店が
軒を連ねていました。

多国籍なそのライフスタイルは
惹かれ合い、混ざり合い
紳士も、淑女も、エレガンスをさらりとまとう
トアロードの文化となりました。

中国からやってきた料理人たちは代替わりしながら
ふるさとの味を守ります。

帽子工房では、今日も、蒸気の向こうに職人たちの美しき手仕事。
マキシンの帽子で、神戸の少女は、レディに変わっていくのです。

異国文化が流れ込んできた時代から、
この街は、他との違いを受け入れ、楽しむ
人のチカラにあふれています。

夕暮れには、旧居留地をまわって港まで降りてみましょう。

あなただって、わたしだって
波のように、いったりきたり。
風のように、吹いたり、吹かれたり。

TOR is my ROAD.
それは、南北1kmの美しい寄り道。